なぜ、質の高いWebデザイナーでも相見積で安い業者に負けるのか?

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一度見積もりもらえますか?

問い合わせがきて、さっそくご検討よろしくお願いします!というメッセージとともに概算見積もりを出す。3日経ち、1週間、2週間が経過しても返事がない。気になって連絡したところ、他の業者に決めたとのこと。理由を聞くと、他社のほうが安かったから・・・。また価格で負けた。。。安くしないと仕事は取れないのか???

相見積でジョボい安い業者に負けてしまう・・・

この例はちょっとリアリティに欠けますが、あなたもこれに似た経験はありませんか?

いまWebデザイナーの価値は昔に比べ低下しています。クラウド系のマッチングサイトがでてきて、その傾向は強まる一方。制作単価はどんどん安くなるし、ライバルはうじゃうじゃいるし、こんな価格でよく受けてるよな、という輩は多いし。。。

こっちはクオリティの高いサイトをつくっているものだから、なかなか価格で抵抗できない。安くしようものなら、こっちに負担がかかる。でも、安くせざるをえず、自ら値引きをして自分の首を締める。

見込み客が悪い、価格破壊を促すライバルが悪い・・・。そんな感じで、結果を外的要因のせいにしてしまう。ぼくもそんな時期がありました。

なぜ安いデザイナーに負けてしまうのか?

なぜ、こんな状態になるのか?結論はかんたんです。

クライアントの情報不足

見込み客は、僕たちの業界やWeb制作における購買する「判断基準」を持ち合わしていません。なぜなら、ぼくらが相手にする企業の多くは、Webサイトの発注に慣れていません。どこに価値を置いたらいいのか、分からないからです。分からないから、分かりやすい「価格」という基準で僕たちを判断しがちです。

そのようなクライアントの「見積もりください」という依頼に対して、そのまま出してしまったら、結果は見えています。クライアント候補が悪いわけではありません。競合が悪いわけでもありません。市場が悪いわけでもありません。

結局は、、

自分の情報発信不足なんですね。

価格以外の判断基準を示していないから、価格で判断され、自分よりクオリティの低い会社、こだわりのない会社に取られてしまう。

本来、安さだけを求めているクライアントは少ない。

そもそも安さだけで業者を選ぶクライアントは多くはありません。さっきも書いたように、ぼくらが情報を提示していないから、結果的に価格でしか判断できないだけ。

特に価値の分かりにくいWeb制作では、どれか1つの要素だけで判断されることはありえません。見込み客は、いくつか意識しない基準をもっており、その比重が違うだけです。

うちは価格ではなくデザインのクオリティで売っている、というWebデザイナーもいるでしょう。でも、高品質なデザインを売っているデザイナーはたくさんいます。同じようにデザイン力のある彼らが低価格で勝負してきたら、どうですか?結局、価格で負けてしまうかもしれませんよね。

なので、僕らは価格やデザイン力といった限定された要素以外に、別の判断基準を提示しておくことが必要になります。見込み客の判断基準はふわふわしたものなので、提示内容次第では基準をころっと変えることができます。

判断基準を価格(あるいはデザイン)から、別の価値にシフトさせるには?

ここにパック卵が3種類あるとします。

  • パックA:198円
  • パックB:298円
  • パックC:500円

記載されているのは、価格だけの情報です。あなたならどれを選びますか?価格でしか判断できないから、Aがいちばん売れるでしょう。中にはBを買う人もいるかもしれません。

次に、新たな情報を加えます。

  • パックA:新鮮な卵です。198円
  • パックB:無農薬の餌だけで育った鶏の卵です。298円
  • パックC:宮崎で養鶏一筋30年、青木さん夫婦が手がけた希少たまご。無農薬の餌だけで育てた鶏から3日に1個しか生みません。タンパク質とビタミンが豊富で濃厚な味。指で持ち上げてもつぶれません。卵かけご飯にぴったりです。500円

ちょっと極端な例ですが、Cの500円のたまごを選ぶ人も出てきそうですね。

この例で分かる通り、新たな情報が加わると、選択基準が価格という価値から別の価値にシフトしやすくなります。つまり、「情報(価値観)の量=選ぶ基準」が多くあれば、選んでもらえる可能性が高くなるわけです。

クライアントはいい選択をしたい。後悔したくない。だからそれをサポートしてあげる

価格やデザインでしか判断されない・・・と嘆くWebデザイナーは、クライアントが判断しやすい基準を提示していません。安さを売りにしているデザイナーは安さだけを訴求し、デザイン力に自信のある方は、デザイン押しで実績ドーン!他の判断要素が不足しています。

価格だけ、デザインだけを求めている見込み客にはマッチしますが、競合も同じようなら別の要素を出さないとコンバージョンできませんよね。

僕たちはなに買う時になるべく後悔はしたくありません。つねにいい選択をしたいと思っています。いろんなリスクをなるべく取り除いて買いたい。それは見込み客も同じです。だから、リスクを取り除いてあげるために、判断の助けとなる情報をそろえ、いい選択のサポートしてあげる。

いや、自分はデザイン力に自信があるからやっぱりそこを押したい。というなら、ライバルに負けない圧倒的なデザイン力を根拠や証拠をもって示すこともひとつです。デザインだけで勝負しないのであれば、デザインとは別の基準をいくつか提示するのもひとつ。

フットワークの良さ?対応の速さ?柔軟性?あなたのキャラ?それとも想い?いろいろあります。あなたが提示できる判断基準はなんでしょう?

ABOUTこの記事をかいた人

橋本公平

ブルーチップ代表 Webデザイナー、マーケッター コピーライター、清掃作業員を経てWebデザイナーに。デザインだけではクライアントの業績改善に貢献できないのを認識し、一からマーケティングを学ぶ。クライアントの売上げを半年間で5倍に、ホームページ経由の引き合いで2億のビジネス成果に、年間たった500万ほどのECサイトを億超えに、塾のLPでCPAが18,000円→6,000円の1/3に。 など数々の成果を上げる。制作だけでなく、マーケティングコンサルティング、運用サポートにも注力している。
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